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やっと映画6連作のプロットが書けたのココロだ

映画6連作の脚本を担当してしまい、ああ、途中で出演者が変わったり、入れるべき要素が増えたり減ったりで、なかなか難しい仕事なんですが、やっとこさ、全体のプロットができましたよ。

特産物を入れながらドラマにしないといけないのよね

ビジネスの部分と、参加する大勢がやりたいことを練りこんだ作品にするのが今回の課題なんですね。つまり、企画ものなんです。それでも6作品を見てもらわないといけないので、それなりなドラマを入れないといけない。その中に人生の気づきなどをきっちり入れないと映画として成立しないのだ。
でも、総合プロデューサーはテレビの人だから、テレビ的な企画で考えている。テレビ屋さんにありがちなことなんですよね。僕も昔はそうだった。

でも、やっと、どんなワガママが来てもなんとかなる構成を考えついたので、やっとこさクランクインできそうだなぁ。

本日は映画:仁道組の準備だのココロだ

仁道監督とは、もう3作品目かな。
前回はアイドルグループの初主演作品で、その録音とMAを担当した。その作品がかなり良くて、MAしながらマミだが流れたぜ。

今回はアクション系だ

そして明日クランクインする作品には、制作担当として参加。
若手の裏方を支えるお目付役って感じ。
ワンシーンだけ、ちょこっと出演。あれ、台本、どうなってたっけ?

僕は、声の出演作品は、たくさんあるけど、ビジュアル出演は皆無。ビジュアルでスターになっちゃったらどうしよう? などと妄想しつつ、明日からの撮影準備だ。

それにしても湿疹がひどくて、そちらが気になるなぁ。

正しいヘッドホンがないと録音に失敗するのココロだ。

映画の録音部が使うヘッドホンについて解説しますね。
いい音を録音するのに、いいヘッドホンが必須です。どんなにいいマイクを使っても、ヘッドホンが悪いと正しいセッティングやボリューム調整ができません。

正しい音、綺麗な音、好きな音について

音は、人によって年齢によって好みが非常に分かれます。また、どのくらいのボリュームで聞くかによっても、ヘッドホンの選び方が違ってきます。
最近は数十万円なんてイヤホンもあって、選ぶのが難しいですよね。そんでもって、まず、基本から解説します。

音には、『正しい音』『綺麗な音』『好きな音』の3種類

『正しい音』とは、原音に近い音のことです。原音に近いというのは、元の音があって、マイクがあって、録音機があって、再生機があって、ヘッドホンという順番に音が変化していきます。高性能なマイクというか原音に対して適切なマイクで、適切な録音をして、録音されたものをそのまま再生して、それをヘッドホンでそのまま聞くことができる。これが正しい音です。
わかりますかね?
簡単に言えば、録音する場所で聞いた音と同じ音に聞こえるのが『正しい音』です。

次に、『綺麗な音』というのは、デジカメで風景を撮ると実際の見た目より綺麗に見えることがありますよね、あれと同じで原音は大したことがなくても、そのヘッドホンで聴くと綺麗に聞こえるというものです。単純にいうと、耳障りな音は消し、心地よい音は大きくするヘッドホンです。高価なヘッドホンは、こういうタイプの製品です。

最後に、『好きな音』というのは、個々人の好みの音ということです。例えば低音がズシンズシン響くようなヘッドホンです。 多くのメーカーが、他社との差別化をするには、この種類のヘッドホンを研究開発することになります。

ここで考えてみてください。正しい音のヘッドホンを作るとしたら、どのメーカーのどの製品でも同じ音になりますよね。違いは掛け心地くらいになっちゃう。それじゃ商売にならないので、各社とも特徴を出します。どんなにへぼい音楽でも、それで聞けば『綺麗』『好み』という製品です。

もうおわかりのように、僕たちプロは、そんな『綺麗』『好み』では仕事をしません。『正しい音』が出るヘッドホンが必須です。

正しい音のヘッドホンは、汚い音が聞こえる

さて、実際に正しい音が出るヘッドホンの音はどんな感じでしょうか? 端的に言えば、汚い音が聞こえます。汚い音というのは録音の失敗で生じる音のことです。逆の言い方をすれば、正しいヘッドホンで汚い音が聞こえたら、それは録音の失敗です。
ですから、僕らは現場で、汚い音を無くす努力をします。その汚い音を見つけることができるのが業務用ヘッドホンとかスタジオヘッドホンと呼ばれるものです。
ソニーのMDR-CD900STというのが(トップの写真)、業界標準です。ただし、トップ画像のMDR-CD900STは改造してあって、より汚い音を見つけやすくなっています。

正しいヘッドホンで聞いて、自分の耳を標準化する

正し音(汚い音のない音)を正しいヘッドホンで聞くと、耳が鍛えられてきます。どんな音が正しくて、どんな音が汚いか(録音に失敗しているか)が分かるようになります。言い換えると、耳を鍛えないと、いい音(正しい音)を聞き分けられません。つまり、心地よい音(綺麗な音や好きな音)に騙されて、録音の失敗に気づかないのです。それを編集にかけると、汚い音が水面に浮かぶゴミみたいに、じわじわと上がってくるのです。これが録音の失敗です。現場では気づかないけど、失敗しているということです。

正しいヘッドホンを普通の人が聞くとがっかりする

さて、世の中には非常にチープなヘッドホンだけど、業務用ヘッドホンと同じ音がするものがあります。
『Panasonic RP-HT24(スタジオ仕様のロングコード&ボリューム付き)1200円程度』『Panasonic RP-HT40(携帯用折りたたみ式)700円程度』
この2製品は化け物です。後者は生産終了で、在庫があるだけだそうです。僕は予備に複数本買い溜めしています。
さて、この製品のレビューを読むと、ほとんどが低い評価です。
あはは、『綺麗な音』『好きな音』で耳が慣れている人には、ダメなヘッドホンに聞こえるんですよね、だって、汚い音が聞こえるから。でも、上記のように、このヘッドホンは『正しい音』を出してくれます。
唯一、このヘッドホンの弱点は、音が若干小さいことかな。ドライバという音が出る部分がちょっと小さいからかもしれません。それでも、業務用のレコーダーから大音量で音を出しても、歪まずいい音(正しい音)を出してくれます。素晴らしいヘッドホンだと思います。
僕だけでなく、エンジニアの評価も非常にいいヘッドホンです。
なので、もし、録音に興味がある、仕事にしてみたい、講演や演奏で録音しなければならないという人は、このヘッドホンを音をやや大きめにして聴きなが録音してみてください。このヘッドホンでいい音に聞こえれば、録音は成功です。

Panasonic RP-HT24(スタジオ仕様のロングコード&ボリューム付き)1200円程度

iThought(マインドマップ)が高機能に進化している

実用本や脚本を書くのに、小生はマインドマップを多用している。
事業のプレゼンテーションにも、PowerPointではなくマインドマップを使っている。

使っているiThoughtと言うマインドマップは、写真なども貼り込むことができるし、年々進化して、様々な機能が追加されている。

自動連番機能が便利

新しいバージョンからは、自動連番機能が追加された。ノードを作ると自動的に番号がつけられるわけだ。

できたマインドマップは、そのままアウトラインとして他のアプリで使うことができる。

マインドマップと脚本テンプレート

脚本のような、文体に頼らない文章(芸術?)では、文章の勢いも大切だけれども、ストーリーが構造的に正しいかどうか、時制がどうなっているか、何をどの順番に見せているか、舞台装置はどうなっていいるのか、服装はどうか、時間経過はどうなっているのか、などなど、様々な要素を作家がきちんと把握して描かなければなりません。

プロの現場でも、時制や登場人物の背景(人生に何があったか)がいい加減に描かれていることが多いのも事実です。どのくらい、脚本は難しいのです。小説の場合には『読者に想像させる』という逃げ口上で済みますが、映像の場合には、観客の想像に任せる前に、お金をかけて撮影するという事実があるのです。

マインドマップで脚本の全体像を見ながら執筆

前に書いたこのブログでも、マインドマップ(iThought)を多用していることを紹介しました。
マインドマップは複雑な構造の脚本を効率よく整理しながら書くことができます。
しかも、途中で思いついたアイデアも適当に貼り付けられるし、文章をメモとして残すことも可能です。

しかも、完成時にはマインドマップがアウトラインプロセッサ用の形式として出力でいます。
そう、マインドマップでおおよそのプロットが自動的に出来上がっちゃうんですね。
つまり、登場するシーンごとに枝葉を伸ばしていけばいいってことです。

僕の自動記述テンプレートのシナリオ版

さて、僕は職業物書きでもあるので、思いつきや勢いで脚本を書いていられないので、もっと効率よく物書きをしたいといつも研究しています。実用本に関しては『自動記述テンプレート』というのを作ってあって、これは書籍『誰でも書ける・実用本の書き方入門』で使い方を紹介しています、自慢じゃないですが、これで数十万部のベルトセラーを書いたお医者様もいます。

さて、それを脚本でやりたいなぁ、とおもっていたのですが、なんと、マインドマップでそれが実現できることが判明。実は、元の自動記述テンプレートはExcelかNumbersで作られたテンプレートです。ところがテキストベースの自動記述式だと、どうもシナリオのような立体的な文章の構造には適していなかったのでにのあしをふんでいたんです。

ところがどっこうしょ! マインドマップを使えば、シナリオのベースになる詳細なシノプシス(あらすじ)を簡単に書けることがわかりました。
ということで、近いうちにマインドマップ版のシナリオ自動記述テンプレートを作って公開したいと思います。

台本が進まないのでScrivenerで書いてみよう

難産の映画台本が進まないので、執筆ツールを変えてみよう。
今回は複雑な多数の人間が出る映画なので、人物辞典みたいなものを作っておかないと誰がなにをしているのか、作家側でも混乱を極めんだ。しかも、そこに役者が先に決まって来るので、ある程度は当て書きをしないといけない。作家としては最上級の面倒くさい仕事なんだ。

Scrivenerは、こういった作品に最適だ

このブログでもScrivenerの素晴らしさは何度も取り上げている。特にパソコン版のScrivenerだと、登場人物の一覧を表示したまま執筆することができるので、非常に効率が良くなるんだ。さらに、登場人物の写真なども入れておけるので、イメージを組み立てるのにも役立つんだ。

その他、ロケ場所の資料、歴史資料などもファイルリングすることができる。

もちろんアウトライン編集は大得意

Scrivenerは、柔軟なアウトライン編集機能が搭載されているのが特徴なんだけど、まぁ、ポメラのDM200などのテキストベースのアウトラインプロセッサに比べると機能が多すぎてマスターするのが難しいのだ。

台本では、シーンの入れ替えが非常に重要になる。さらに、1つのシチュエーション(シーン)を割って、その間に別のシーンを割り込ませる『カットバック』もよく行われる。
普通の執筆ツールだと、カットバックさせながら書き進める事が多いのだが、Scrivenerなら1つのシチュエーション(シーン)を書き上げてから、途中を分割するのが非常に簡単で、そこに別のシーンを割り込ませるのもドラッグ&ドロップでできる。思考を分断されないので勢いのあるシーンが書けるのだ。

さて、台本を書き進めるために

Scrivenerを効率よく使うためには、人物表を作って、さらにシノプシス(あらすじ・プロット)を作る。それが設計図になって、台本を書いていくことになるんだ。

ということで、今書いているテキストベースの台本をScrivenerに落とし込む作業が必要になる。

さて、落とし込みを始めよう!

人物詳細を作っているんだ。

3年間で6本の映画を撮ることが決まっていて、その台本をぼくが書くことになったんだ。1本目の締め切りは11月3日。
そう、目の前なんだ。まだ、ほとんど書いていないんだ。

しかも連作なので、あまりいい加減なシナリオにはできないのと、登場人物が政治的理由で決まっている。役者も決まっているという状況。
と言うか、前任者が書けずに降板となって、
『ピンチヒッター桜風涼、背番号無し』
という二死満塁という感じなのよん。

主要人物の生い立ちを先に書こう

さて、あと1週間しかないんだけど、3連作を貫く基本的な構造を作らなくちゃいけない。そこでかつてちょっとだけ教えを請うたことのある、内館牧子先生の書き方でやることにしたんだ。

内館 牧子先生は、テレビの連続ドラマの巨匠。つまり、連作の達人だ。
内館 牧子先生の書き方は、まず、登場人物の生い立ちを一人ずつノートに書き出す。主人子は大学ノート数冊分の過去のエピソードを作り込むんだって。

そこで桜風さんも、小学生の頃から50歳までの主人公の生い立ちを作っているんだ。しかも、主人公クラスの人物が4人もいる。それも全員が幼馴染。

わーい、ラッキー。幼馴染だから、同じ過去を共有しているんだ。だから、実は1つの小さな町の出来事が中心になって、それ以外に個々人のエピソードが入り込む。

一人ずつ書いているんだけど、同じ体験を違う目線で書くという手法になる。

桜風涼『酒を飲む酒』と同じ

同じエピソードを違う目線で書くというのは、桜風涼さんの好きな書き方。
それが『酒を飲む酒』これを映画でやると、かなりの予算削減になる。だって、同じ舞台で何シーンも撮れるからね、

さらに、登場人物の配役が決まっているのもラッキー。
いわゆる「当て書き」と言って、役者の個性に合わせて登場人物の性格やセリフを作り込めるんだ。

登場人物の過去のエピソードと役者の癖を足し算掛け算すると、あら不思議、面白い作品になりそうだ。

プロデューサーにちょっと聞かせたら、大興奮で大喜び。
さて、書きますか!

ストーリーが書けるぞ

やっとストーリーの神様が降りてきたぞ。
先ほども、朝マックを食べながらポメラDM200で台本を書いていたんだ。

いつも叫ぶだけの演技しかしない某有名俳優さんが気になって、まぁ、松田優さんですけどね、彼の顔を思い浮かべながら、クライアントプロデューサーの作りたい世界を想像してみたんだ。
すると、書ける書ける。

松田優さん。役者サイトより引用。昇竜拳を打ちそうなマッチョ。自衛官役やヤクザ役がハマる。

ある人物の目線が定規になる

朴訥な自衛官上がりのおっさんの目線を、ストーリーの定規に使うことを思いついた。いわゆるトリックスターになるんだけど、脚本家が目線を決めることで、書きやすくなるですな。

ということで、朝マックを食べながら、自分の脚本で泣けている桜風さんでした。

ストーリーの神様が降りてきた!

福島を舞台にした映画(6本)の台本執筆の依頼がきた。もともと、監督は決まっているのだけれど、ドキュメンタリー部分とドラマ部分があって、ちょっとテレビ的なノウハウが必要なんだ。そこで、桜風さんに話が来たっていうわけです。

芳本美代子さんの演技に救われた

芳本美代子さん他
映画『光リアル道』制作プロモーション番組(インフォマーシャル)撮影風景

依頼が来たのは1週間以上前だったんだけど、全然できなかったんだ。ラジオ番組の進行台本を、シナリオ形式で書いてみたのが先週のことで、そこからちょっと脳みそが変わって来たぞ。

普通の書類とか、仕事の流れを書くのと違って、ストーリーを書くために必要なことがあるんだ。それは登場人物だ。ラジオ番組の中で、芳本美代子さんに芝居っぽいコーナーを作り演じてもらうこと3回。アイドルとして有名な芳本美代子さんだけど、実は非常に演技がうまい。どうしてもアイドルの顔に見えちゃうのが勿体無いというか、先入観でそう見えちゃうんだけど、実は、演技が始まると、圧倒的な演技力を発揮する。

ラジオ番組内でも、ちょっと芝居をやってもらうんだけど、うまい。演出の意図を汲み取って最適な演技を見せてくれる。やはり一世を風靡する人は違うなぁ。

人物表を作ってみた

福島の映画は『光リアル道』といって、実物の地元の面白い人を映画にするというプロジェクトで3年間で6本を製作する。実在の人物が大勢出てくるのと、架空の人物(ドラマパート)が入り混じる作品なんだ。

登場人物が多いと、実はシナリオが非常に難しくなる。先任のライターさんは、なかなかかけなかったみたいだ。しかも、実在する人たちを絡めてドラマにするとなると、かなり難しい。

桜風さんも、全然かけなかったんだけど、ラジオで芳本さんと簡単なドラマをやって、色々演技の話をして(ラジオ番組内)、ひとまず、人物表を書き始めたんだ。
すると、どんどん話が出てくるんだ。書かなくちゃいけない場面はプロデューサーに決められているんだけど、それをどう結びつけていくの難しい。でもね、出演する役者の舞台を見て、芳本さんと話をして、そして人物表を書くと、あら不思議、頭の中に『ワールド』が出現した。

ありがとう、ストーリーの神様!

ちょっとブログお休み、すんません。

ちょいと映画撮影に参加していました。
芳本美代子さん、ワハハ本舗の佐藤団長、渡辺裕之さんなどとお仕事。
この笑顔、そう、いい作品になりそうです。

弊社で編集とMA

編集とMA(音編集と効果音など)を弊社で担当します。
実は、PremiereとEdiusの解説本の著者なんですよ、ぼく。

僕の編集の速さとクオリティーはNHK出身者もびっくり。
MAも、もともと岸田今日子さんや柳生博さんの朗読WEB紙芝居の制作で鍛えられてきたので、まぁ、ちょっと素材が少ないけど大丈夫でしょう。

あ、カラスの鳴き声を録りに行かないと無いぞ!
最近は、カラスが近所に居ないなぁ。俺が寝ているだけかななぁ?