「ヘッドホン」カテゴリーアーカイブ

超高級ヘッドホンで聴く『マクロス』

アニメソングって、かなり力が入っているなぁ。
なんとなく聴いた『マクロス』だけど、いいレコーディングだ。
生のオーケストラということもあるんだろうけど、時代的にも音楽にお金をかけていたんだろうなぁ。
やっぱり、生楽器の録音はいいなぁ。

超高級ヘッドホンSTAXで聴く『原田真二』

小学校6年生の時、初恋の女の子がオマセで原田真二にぞっこんだった。俺は桜田淳子かな、なんて答えて呆れた顔をされたな。

その原田真二だけど、音の仕事していて聞き直すと、本当に天才だと思う。当時の田中美穂ちゃん、すごいなぁ。

タイム・トラベル2007がすごい

名曲はいくつもある中で、『タイム・トラベル』の昔バージョンと2007年に作り直したバージョンというのが面白い。昔のバージョンのインパクトが強くて、イメージはそちらなんだけど、2007年版は、前半で歌声よりも楽器が表という感じのミキシングなんだけど、後半にドスンとやられる。
すげぇ、ノリノリ。
エレキベースのロングノートが心地よくて、ピアノが小気味いい。ドラムが途中で入ってくるんだけど、そこから、もう昔バージョンとは違うノリ! JAZZってるけど、元の昔バージョンの世界を壊していないのがすごい。
終盤のピアノにやられちまうぜ!

超高級ヘッドホンSTAXで聴く『民族音楽・ペルシャ』

民族楽器の音を聴く時、本当はどんな響きなのかは想像するしかない。レコーディングされた音というのは、マイク、編集、再生アンプ、ヘッドホン(もしくはスピーカー)を通すので、どこかで変わっってしまう。
西洋楽器とか現代楽器であれば、生の音を聞いたことがあるから、多少変わってしまっても脳が違いを補完してそれなりに聞こえてしまうのだ。

しかし、生で聞いたことがない楽器は、脳が補完できない。
再生された音を本物と思うしかない。
そこで重要なのが、最終的なヘッドホンの性能ということになる。

STAXでペルシャの音を聞いている。
心地よい。

高級ヘッドホンSTAXで聴く『マンボ』

これぞSTAXで聞いてほしい楽曲。
クラシック音楽もいいんだけど、楽器が多すぎて聴きどころを見つけるのが難しい。
その点、ビッグバンド編成のマンボはわかりやすい。
金管楽器が左右に振り分けられていて、パーカッションが全体に広がっている。ドラムもわかりやすい定位にあるぞ。
ベースはエレキベースでしっかりしている。
トランペットの鋭い高音が、部屋全体に響くのが聞こえるかな?

超高級ヘッドホンSTAXで『伊勢正三 LIVE BEST ~風が聴こえる~』

DISK1は、多分、2本のギターとメインボーカルと小ラースの小さな編成。
さすがフォークソング。
コレで非常に広がりのある録音が素晴らしい。
フォークギターの優しい響がいいなぁ。
フォークソング、またブームが来るんじゃないかなぁ、来てくれるといいなぁ。

DISK2は神田共立講堂のライブで『22歳の別れ』だけど、会場の空気感がいい感じ。
アコースティックギターに軽くフランジャーがかかっているのも面白いなぁ。
77年の渋谷公会堂『なごり雪』は、定位が左にずれていて気持ち悪いなぁ。コレくらいは直してもいいのになぁ。

STAXはギターの細い弦の鳴りが気持ちいい

ライブ音源は、会場の大きさや観客のざわめきなどが聞こえてくるので、STAXの高い解像力がありがたい。

歌声用のマイクと楽器のマイクは別なわけだけど、さらに、会場用のマイクもある。楽器用マイクの音は、ミキシングで強めに入っていて、歌声はミキサーでのエコーに会場の響きが程よく混ぜてある感じ。この辺りの混ぜ具合がミキサーさんの技量なんだなぁ。

STAXでボブ・ディラン

STAXで色々聴きまくっているんだ。
1950-1970年代の録音が、結構面白い。
ステレオ録音が始まった頃かな。
1つ1つの楽器屋歌声をきちんと聞かせようとしている。

ボブ・ディラン

同じ『風に吹かれて(Blowin’ in the Wind)でも、録音が違うと聞きどころも違ってくる。このBlowin’ in the Wind(上の3番)の途中でハーモニカが入ってくるんだけど、驚く定位で登場。非常に面白い。

STAXヘッドホンと髪型について

一般的な話だが、ヘッドホンを音を聞く時にイヤーパッドが髪の毛を挟み込むと低域の音に影響が出る。
STAX(SR-L500MK2)の場合はどうだろうか? 前にも書いたが、僕はSR-L500MK2に関しては隙間がある方がスピーカーに近い空間を感じられるので、どうにか隙間を作りたい。ただ、髪の毛だとあまりよろしくない。そこで、僕は髪を刈り上げてしまった。

タバコの箱を挟んでみた

ちょっとイタズラで、発音部の下部にタバコの箱を挟んでみた。
いや、いい音だなぁ。長時間は亜たくなって耐えられないが、いい感じですな。
1cmくらい下部だけ隙間を開けているんだけど、低音はそれほど引っ込まずに、音の広がりが良くなる。まぁ、解像感はやや下がるかな。

密閉度をどこまで維持するか

メーカーとしては、高い密閉度を保って低音をしっかり聞かせたいということだと思う。事実、きっちりイヤーパッドを顔につけている時が解像感も低域も良くなる。その一方で、ヘッドホン特有の音像になる。つまり、頭の中、もしくは頭頂部方向で音がなっている感じになる。スピーカーのような音像の広がりは、ヘッドホンの仕組み上なかなか出ないのだ。まぁ、最新の立体音響の技術でバイノーラル式の音像の出し方もあるのだが、それは別の考え方になってしまう。仕組みとしては、左右の音の位相差を作り出す必要があるってことだ。また、立体音響マイクで収録するという方法もある。弊社にも立体音響マイクがあるから、それとSTAXを組み合わせてみて、どうなのかは、いずれレポートしたいと思っている。

さて、密閉度の話に戻ると、実はSTAXの大きなイヤーパッドだと、顔の形(輪郭など)が密閉度にかなり影響すると思う。顔の凹凸によって隙間が多少なりともできる。それを強いヘッドバンドで締め付けてなるべく無くそうというのがSTAXの考え方だと思う。
つまり、実は人によって密閉度に差ができてしまうことは避けられないはず。ということは、人によって聞こえ方に差が出ているということだ。ネット上のレビューを読むときも、この点には注意しなければならないと思う。特に、お店で視聴してきた程度の聞き方だと、ちゃんとした音を聞いていない可能性がある。
また、前にも書いたが、イヤーパッドが潰れてくるくらいでちょうどいい密閉度になると思っている。

最適な掛け方を探せ

STAXは耳への当て方でかなり音質が変化する。それゆえ、最善の当て方を探る必要がある。もちろん、他のヘッドホンでも当て方で差が出るのだが、イヤーパッドがそれほど大きくないので、隙間ができる心配があまりない。ところがSTAXは縦長なのでフィッチするかどうかがかなり絶妙なバランスになる。
縦型の最新版はSR-L700MK2とSR-L500MK2だが、その辺りは改良されているようだ。それでも、ほんの少しの位置決めで微妙な音を聞き分けられるかが変わってくる。まぁ、ボリュームを上げてしまえばそれほど差が出ないのだが、より高音質を求めるのであれば、掛け方に気をつけるのが一番いいということがわかった。

STAX社ヘッドホンのプロ的使い方(1)

(注意:Facebookだと改行が削除されているので、読みにくい方はリンク先のブログをお読みいただけると幸いです)

STAXのヘッドホン(SR-L500MK2)を仕事で1日10時間以上一週間使ってみたところで、最適な音で聴くためのコツがわかってきた。そのあたりをレポートしておこう。
特に、お店などで視聴する場合、耳への当て方が間違うと装着感が悪く、音質も良く聞こえないので、参考にしていただきたいと思う。

ヘッドホンの当て方が疲れに大きく影響する

まず、STAXの縦長形状のヘッドホンの耳への当て方を紹介する。特に、お店などでSTAXを視聴する場合に、今回紹介する装着方法をお試しいただくと本来の快適さや音質が体感できると思う。

STAX社のSR-L500MK2は縦型で、銀色の縦長楕円に見える部分全体が振動板だ。

SR-L500MK2などのSTAX社ヘッドホンは、耳に当てる四角い部分全体が振動板(音が出る場所)になっている。縦が10cmほどもある。
この四角い箱のような物を耳に当てるのだが、普通の丸型のヘッドホンと違って耳(耳介)を振動板の中心に来るように設置する必要がない。上の方に当てようと下の方に当てようと、音質(定位も含めて)の変化がほぼない。むしろ、顔の形によっては真ん中に来るようにヘッドバンドを調整すると締め付けが強くて痛くなる。

そこで、まずは、頭が締め付けで痛くならない位置を探るといい。僕の場合はイヤーパッドが耳介の上部に触れるくらい下げて使っている。また、耳介の裏がイヤーパッドに触れるくらい顔の前方へ出している。僕の頭蓋骨の形では、それがちょうど良い(装着疲れがない)。

装着のポイントは、大きなイヤーパッド全体が均等に頭に触れているように調整することだろう。どこか一点に強く当たらないように位置を探ると良い。つまり、イヤーパッドの高さ(上下位置)だけでなく、前後位置も探る必要がある。
最適な位置がわかると、これまでギリギリと締め付けられていたような感じがほぼなくなって、快適になる。

もうちょっとわかりやすく言うと、STAXヘッドホンは3点で支えるように調整する。1つはヘッドバンドを調整して頭頂部で軽くヘッドホンの重量を支える。次に大きなイヤーパッド全体に力が分散されるように上下・前後を調整する。ぴったり決まると10時間以上付けっ放しでも快適だ。

イヤーパッドの密閉度は気にしない

一般的には、密閉型のヘッドホンはイヤーパッドと皮膚との密着が高いほど音質が向上する。隙間があると特に低音が下がってしまう。

STAXも同じで、大きな耳のあな隙間ができると低音が下がることは事実だ。ところが、普通の密閉型ヘッドホンほどは音質が落ちない。いや、ちょっと隙間がある方が音像が広がって来る。
また、普通の密閉型ヘッドホンは、手で押し付けを強くするほど音質が上がっていくのだが、STAXはそれは、ほぼない。軽く当たっているくらいがちょうど良い音だ。ここが普通のヘッドホンと大きく違うところで、普通のヘッドホンのつもりで耳に押し付けて装着すると、締め付けが強すぎるように感じるし、なんだか迫力に欠ける音に感じるはずだ。

僕自身、箱を開封して初めて耳に当てた時には、あまりの平凡な音と頭が痛くなる締め付けにがっかりした。ところが、それは装着方法を間違っていたからだ。
ネット上のレビューでも、STAXは低音が出ないとか、迫力に欠けるなどと書かれているものを散見するが、それは装着方法に問題があると思う。

結果的に言えば、実はちょっと隙間があるくらいの方が音のバランスがいい。これは今後、イヤーパッドを自分なりに改良したいと思っているのだが、耳の穴の前方に指1本分くらいの穴(隙間)を開けると、非常に良い音像のまま低音も痩せない。前述したが、私は耳介の裏がイヤーパッドに当たるくらい前方へずれしている。すると、前方にわずかに隙間が空いて、良い感じになる。
これにはもう1つの良いことがあって、通気があることで汗で蒸れることも軽減される。

さて音に関してだが、おそらく、密閉しすぎない方が空気が抜けて薄膜の振動板が自由に動けるようになるから良い音になるのではないかと思う。この辺りはSTAX社の技術者と意見交換してみたいと思っている。玄光社から録音の書籍を出版する予定なので、その中で取材してみようと思っている。
何れにせよ、STAXのヘッドホンは、軽く当たるように装着できる位置を探るのが良い音、快適な装着感を得るポイントとなる。

イヤーパッドもエイジングが必要だ

一般的にスピーカーもヘッドホンも振動板がこなれるまでエイジングを行う。STAXのヘッドのは製造時にエイジングを行ってから出荷されているので、ユーザーがエイジングに苦労することはないし、左右の振動板のマッチング(同じ特性のもの一対を選び出す)も厳密に行ってくれている。余談だが、普通のヘッドホンはマッチングされていないものも多くて、定位が左右どちらかに偏っているものも多い。自分の耳がおかしいと思ってしまうこともあるくらいだ。しかし、STAXはそんな心配がないのもありがたい。

さて、振動板のエイジングはよく知られているが、実はイヤーパッドも使い始めは硬くてダメだ。一週間、毎日10時間以上装着してきて、やっとイヤーパッドが顔の形に馴染んできて、装着感も音質も良くなってきている。
これは業務用のヘッドホンも同じだ。真新しいイヤーパッドは、どうしても痛いし、蒸れてくる。我々ように映画撮影で一日中炎天下でもヘッドホンを装着しっぱなしだと、真新しいイヤーパッドは蒸れて困る。使い込んでヘタってきたイヤーパッドだと、蒸れないし痛くならないのだ。

つまり、イヤーパッドは潰れてくるくらいがちょうど良い。だから、お店で視聴する時にはイヤーパッドが硬くて痛く感じるかもしれないが、使うほどに柔らかくなって快適になると覚えておいてほしい。

最適な位置調整ができると低音が重厚になる

STAXのヘッドホンで最適な装着ができると、非常にバランスの良い音になる。僕らは映画などで音を設計して(どのように劇場で聞こえるかを決めて)調整している。STAXのヘッドホンは、低音から高音まで劇場と同じように聞こえる。もちろん、体の振動で感じる超低音は出ない。これはウーハーの役目だ。その超低音以外は、非常にナチュラルで素晴らしい。

ネット上の評価では低音が弱い、色気がない、などと書かれることもあるが、音を作っている立場から言えば、僕らが設計した音がそのまま聞いてもらえるヘッドホンだと言える。
つまり、低音は必要十分だし、色気なる装飾もない。

フラットな音は、耳が研ぎ澄まされないとわからない

ここで私見を述べれば、多くの人が味付けされた音に耳が慣れている。逆に言えば、低音や高音を強調しないと聞こえない耳になってしまっている。濃い味付けの料理しかおいしく感じないようなものだ。

しかし、これは耳を鍛えれば良いだけで心地よくなってくる。鍛えるといっても何かする必要はない。フラットなヘッドホン(業務用やスタジオ用)で聞き続けると、数時間で耳が敏感になって、いろいろな音が聞こえてくる。時とともに高音や低音は、良いヘッドホンを使うほどに良く聞こえてくるのだ。

ここでプロとして断言すると、STAXのヘッドホンとSRM-D10(駆動部)で迫力を感じない人は、耳がお疲れだと思う。ただ、音には好みがあって、真空管の音が好き(僕も好きだ)というような好みはあって良い。その事と、どこかの音域を強調しないといけないというのは別次元だ。
オーディオマニアの音の聴き方を否定するつもりはない。自分が心地よいというのが音の楽しみの一番重要な事だからだ。
ただ、我々プロが設計している通りの音を感じてもらえると、音の楽しみが広がると思う。特にスタジオで作り込まれた音の世界を聞いた時に、いろいろな発見ができると思う。

良いヘッドホンほど小さな音量で聞ける

STAXのヘッドのは、他の人と会話できるくらいの音量で十分に全ての音域が聞こえる。これが重要だ。ダメなヘッドホンは、音量を下げるほどに聞こえない音域が増える。そのために、全ての音域を聞くためにボリュームを高めにしがちだ。しかし、これは耳が疲れる原因になるし、耳が悪くなる。

ぜひ、STAXでボリュームを下げて聞いてほしい。音量を下げるほどに耳が研ぎ澄まされて、これまで聞こえなかったものが聞こえてくる。
耳がSTAXに慣れてきたとき、我々プロの思いが皆さんに伝わる時だと思う。