先日、沈没の原因は過積載で、燃料が減って重心が高くなり、通常の操舵でも船が大きく傾いて、荷崩れが発生。傾いた船は、自動車のスピンと同じように舵とは関係なく大きく旋回してしまうということを書きました(商船大学の先生の推理より)。
テレビでは、船の専門家なるひとが何人もコメントしている。
その多くが、何かを避けようと舵を一杯に切ったのではないかと言っている。
しかし、これは信じがたい。
漁船の衝突などでも舵を一杯に切ることがあるが、それで転覆するなど、ほとんど聞いたことがない。さらに、何かを避けようとしたなら、航海士も操舵士も、そう証言するはずだ。緊急事態で回避行動をしたなら、それは操舵ミスでもなんでもないのだから、真っ先にそう言うはずだ。
しかし、今回は、両名とも通常の操舵だったと言っている。
それで船が急旋回する理由を考えれば、
1:積み荷が重すぎた
2:簡単に崩れた
3:重心が高く、大きく揺れた(傾いた)
4:傾き量に応じた旋回をした
5:あとは海流に乗って流されながら沈没
ほとんどが逃げられないほどの急速な傾き方をしているので、過積載こそが一番原因だと推論する。
この場合、船長と船会社の責任が一番問われるべきで、航海士・操舵士の責任はその下になる。