古代インド哲学

古代インド哲学は、非常に人間の心や成長や行動を分析しているんだ。
その中でも、人間(動物や自然)の性質を決める(物質的)要素を『グナ』と称している。

グナはプラクリティ(物質的な性質)の3つの要素のことで、

  1. サットヴァ=純粋性・善を知る力
  2. ラジャス=激烈性・欲を求める力
  3. タマス=愚鈍性・自分で行動しようとせず、他に従う心

この世は物質でできている。物質であるから、良いことと悪いことがまるで季節のように繰り返されている。それゆえ、様々な悩みが生まれる。その物質的な性質をよく知って行動するのは(2)ラジャスの性質が適している。つまり、詐欺をしようと、耐震強度を偽装しようと、ブラックであろうと儲ければ結果的に『(その人にとっての)善』だ、というのはラジャスの心である。

しかし、本当に人間が幸せを感じるには、何が全世界(自然)にとって大切かのかという善(正義)を知ることができるのは、3つのグナ(性質)のうちのサットヴァだけである。
つまり、この世の成功者であるラジャスには、何が善なのかは、まったく分からないし、理解することもできない。わかるための能力が欠如しているのだから、いくら諭しても無駄なのだ。
別の面で見ると、サットヴァには、この世で如何に儲けるかという能力はまったくない。全く見当がつかないのだ。つまり、最高の正義を知る者は経営者としては不適格である。

タマスは、最も多い心で、自分で考えることよりも力のある者に従うことを常としている。言われなければ何もしよとしない心である。

人は、この3つのグナを全て持っている。その割合が刻々と変化している。商売上手は常にラジャスの成分が多い。その分だけ他の2つの成分が少なくなる。

さて、あなたは今、どのグナが優勢だろうか?

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