STAX SRM-D10のレビュー

STAXのヘッドホンは、真空管と同じように高電圧を使っている。振動板は580V(製品によって違うけど)の電圧をかけて、静電気の力で音を出している(ちょっと乱暴ね)。さて、僕はDAC内蔵のSRM-D10を購入したので、ちょっとレビューしておこう。

まず、筐体だが、アルミの削り出しで非常に高級感があって美しい。実際、非常に重たいぞ。これをもって歩くというのは、なかなか勇気がいる。

次にボリュームノブと端子類だが、非常にシンプルだ。あるのは、ボリューム、電源端子(14V)、LINE入力(ヘットホン端子にも接続可能)、USB端子(デジタル入力:電源供給はできない)、入力切替スイッチ、ヘットホン接続端子(バランス5ピン)。

デジタルでもアナログでもいい音だ

まず、音だが、他のドライバーと比較していないので何とも言えないのだが、音の仕事をしている僕としては、非常に素直でノイズレス。ダイナミックレンジも広くて文句はない。他の人のレビューを見ると、他のドライバーに比べて低音が強めだと書かれているが、実際には、確かに十分な低音が響いている。スタジオのマスタースピーカーと比較しても、遜色がない。もちろん、体で感じるウーハーの低音ではないので、その辺りはご勘案いただきたい。

パソコンやスマホのアナログ出力(ヘッドホン端子)とデジタルでは、まぁ、デジタルの方が良い。と思う。特に低音域はデジタルの方がはっきりする。この辺りはアナログがいいかデジタルがいいかというよりも、アナログ出力の性能が関わるのでSRM-D10のアナログがいいかデジタルがいいかという話ではない。

すごく熱くなるぞ

使ってびっくりするのは、特にデジタルで聴いていて、しかも充電しているとびっくりするくらい熱くなる。筐体に刻まれている斜めの溝は、放熱効果を高めているように思える。というか、放熱版は必要だろうというくらい熱い。中身のバッテリーが壊れてしまうのではないかと思うくらいだ。おそらく、高温にも耐久性があるバッテリーを選んでいるんだろうと思う。

一方、アナログ入力でバッテリー動作の場合には、それほど熱くなることはない。それゆえ、持ち歩いて聴いている時には、それほど熱が問題になることはないと思う。

バッテリー動作はデジタルで4時間弱、アナログで5時間弱

バッテリーの持続時間だけど、これはバリュームの大きさでかなり違うようだ。バッテリーの持ちを計測するのは、実は非常に難しい。気温や充電完了からどのくらい時間が経ったか、バッテリーの温度などに大きく影響されるからだ。

それでも、カタログ値ではデジタルで3.5時間、アナログで4.5時間とあり、普通の大きさの音なら、そのくらいは稼働している。

使ってみて

さて、実際に1ヶ月ほど使っているが、基本的には机の上に置いて使っていることhがほとんどだ。出先で使うこともないわけではないが、このSRM-D10の大きさよりもSR-L500MK2(ヘットホン)を何位に入れて持ち歩くかという問題の方が大きい。首にかけて歩くと頸動脈が圧迫されてクラクラするし、鞄に入れようにも非常にでかい。

ということで、せっかく持ち歩ける仕様のSRM-D10だが、SR-L500MK2との組み合わせだと、出先で使う機会が考えにくいぞ。ということで、外で使うなら、カナルタイプのSR-003MK2を組み合わせる方がいい。近い将来、購入すると思うぞ。

メーカー諸元

●周波数特性:20-40,000Hz / +0,-3dB
●定格入力レベル:230mV / 100V出力時
●最大入力レベル:10V / アナログ入力ボリューム最小時
●最大出力電圧:200Vrms
●増幅度:53dB (450倍)
●高調波歪み:0.025% / 1kHz-10kHz
●入力インピーダンス:10kΩ / アナログ入力
●バイアス電圧:DC580V
●電源電圧:DC14V
●バッテリー駆動時間:アナログ再生 約4.5時間、デジタル再生 約3.5時間
●消費電力:6.4W / USB入力、5W /アナログ入力
●動作周囲温度/湿度:0-35 / 90%以下 (但し、結露しないこと)
●外形寸法:75W×32H×141Dmm
●重量:450g(本体)
●入力端子:Micro USB×1、φ3.5mmステレオミニジャック×1
●生産国:中国
●JAN:4996476000896

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