「ZOOM F6」カテゴリーアーカイブ

ZOOM社に取材に行った!

デュアルADコンバーター&32bitフロートのレコーダーが凄すぎたので、メーカの開発者にインタビューしてきたんだ。詳細はProNewsでレポートするけど、日本メーカーも元気で冒険的で、凄かった!
いわゆるメーカー開発者というと作業服を着ているイメージだったけど、ZOOM社の開発者はお洒落、イケメン。

頭は良いし、ユーザーに凄い物を届けるぜ、という意気込みがすごい。
特にF6というレコーダーは、とにかく小さく、頑丈で、電池長持ち、圧倒的な高音質。異次元の使い勝手。

ZOOMのFシリーズは、地球上のあらゆる環境で使えるというコンセプトだそうだ。その中でもF6は、いっちょやったるぜ! という意気込みの、実質的なフラッグシップレコーダーだった。

いやぁ、レベル調整が必要ないというのは、ほんとうにすごいことだなぁ。

F6で映画のロケに参加したぞ

先週から6日間の映画ロケ。
録音機材はZOOM F6を新調。
6日間で160ページ弱という非常に過酷なスケジュールだったので、小さくて軽いF6を使うことにしたんだ。
しかも、32bitフロート録音なので、マイクボリュームをほとんど触らなくていいのが非常に助かったなぁ。

ZOOM F6をスマホで操作

F6はこれまでのレコーダーの概念を変える!

F6は非常に小さいので、実は操作が面倒なんだ。
ところが、非常に革新的な操作方法を取り入れていて、ほとんど触らずに高音質で録音することができる。
まだまだ操作方法は進化させるべき部分もあるんだけど、それでも、かなり使いやすい。
ただ、初めて映画の録音をするって場合には、まぁ、F6にお任せでというのが、ちょっと難しいかもしれない。

F6はボリュームのつまみ(ノブ)が、トリム(入力ゲイン)とフェーダーを操作しないといけないんだけど、これは面白くて、録画中はノブがフェーダー、スタンバイ中はトリムになるという画期的な機能が搭載されている。実は、映画の現場で、この機能のことを知らずに使っていて、なぜかトリムが下がってしまって困る場面が多々あったんだ。ロケが終わってから、上記の機能があることに気づいたんだよね。

具体的な操作で言うと、リハーサル中にノブを回してレベル調整をする。そして本番で録音ボタンを押したら(ノブがフェーダーに変わる)、その後でノブを下げておくと各チャンネルのファイルにはトリム調整された状態の音が記録されて、ミックスファイルにはフェーダーを絞ったチャンネルは入らない。
どういうことかと言うと、ガンマイクとピンマイクを併用するとき、ミックスにはガンだけ記録させて、ピンマイクは予備として別ファイルに記録することができる。逆でもいい。
こうすることで、複数のマイクを使うときの干渉防止や予備音声を確保することができるわけだ。まぁ、今回のロケでは、それができていないシーンもあったんだけど、これは非常に使いやすい。

本来は外部フェーダーを使えば、もっと簡単に上記のことができるんだけど、小さなF6だけでも、同じことができるのは素晴らしい。

ちゃんと録音するにはスマホ連携が必須

さて、F6の最大の欠点は画面が小さく、操作は4つの小さなボタンだけ。これは非常に不便! と言うか、全然ダメ。使いにくいぞ。

そこで別売のDTA-1(Bluetoothユニット)を付けて、スマホと連動するのが必須だぞ。まぁ、映画ではシーン番号カット番号トラック番号をレコーダーに記録するので、スマホがないと、そういったファイル名の変更に時間がかかりすぎるのだ。
テレビなどでシーン番号を付けなくてもいい場合には、スマホ連動は必要ないかもしれない。でも、小さなノブとボタンだけボリューム調整したり、各種の設定を確認するのは効率が悪い。

小生は、古いiPhone 6Plusをスマホ連携専用にしている。専用アプリを起動したままで、まぁ15時間は余裕で操作可能。スマホの台を用意した方が楽だろうなぁ。

ソニーのLバッテリー(970など)で30時間

バッテリーはソニーLバッテリーが使えて、なんと30時間以上動く。
1日に15時間くらい点けっぱなしでも、残量が50%以上。
これは非常に楽ですな。

映画のような長時間の撮影でも、バッテリーは2個持っていれば十分。アルカリ単三電池4本で4時間以上動くので、バッテリーが空になっても、まぁ、なんとかなるし。
長期間のロケでも、宿でバッテリーを充電しなくてもいいかもしれない。屋外でなければ撮影中に片方を充電しておけば、連日の撮影でも大丈夫だろう。
ロケ先から帰ってからの宿での充電は、結構ストレスになるので、これから開放されるのはありがたい。

32bitフロート録音は驚異的!

さて、なんと言っても32bitフロート録音がすごい。今までだと、役者が急に大声を出すとレベルオーバーしてしまうのだが、32bitフロートだと、レベルオーバーしないと言うか、普通のレコーダーのレベルメーターが2倍になった感じで、-12dB前後で普通の声を狙ったボリュームのまま、大声では、それをそのまま記録できちゃう。普通のレコーダーが平屋だとするとF6は2階建って感じだ。

しかも、S/N比が非常に良いので、実はボリュームを真ん中にしておけば、とりあえずなんとかなっちゃうなぁ。もちろん、編集時にレベル調整をしなくちゃいけなくなるけどね。失敗することはないと思う。
その一方で、32bitフロート録音の場合、マイク性能がいいものを使うべきだろう。具体的に言うと音圧のダイナミックレンジが広いマイクがいい。わかりやすく言えば、安いマイクは、大声が入るとマイク自体が音割れしてしまう。レコーダーには余裕があっても、マイクが大きな音を拾えなければ、結果的にレベルオーバーになってしまう。
そう言う意味では、無線式ピンマイクは大声で音が割れやすいぞ。特にデジタル式マイクは、簡単に音が割れてしまうので、注意が必要だ。

F6は超おすすめ!

さて、今回の映画ロケで使った感想としては、F6は絶対におすすめ!
軽くて長時間運用で、32bitフロート録音、とっても便利だ。まぁ、本当はMAが終わってみないと本当に良いとは言い切れないんだけど、まぁ、すごいよ、F6。