311原発事故についてまとめておく

震災が起きて、すぐに原発が爆発した。
当時、理系脳みその僕は、枝野何某が『原子炉の健全性は保たれています』の嘘の連発をする中、東電の発表する数値データを読み解いていた。その数値は、爆発直後から格納容器が割れて冷却水がザーザー流れ出ていることを示していた。それでも枝野は嘘をつき通していた。それ以来、政府の言うことは信じてはいけない、と肝に命じた。

2011年7月:近畿大学の実験用原子炉で運転実習に参加。原子炉を運転して、出力100%に至るまでの操作を行った。この運転を行なっている時に、仕事のパートナーであり親友が、震災の不況による事業悪化で自殺していた。

当時の核汚染について

2011年9月。牛が飼われている伊達市の牧場(飯舘村に隣接)、空間線量が4.9μSv/h。平時の2000倍以上。

とにかく、核汚染が怖かった。学生時代にチェルノブイリ事故が起きて、大学の化学の先生が藤田教授。その後チェルノブイリ事故の第一人者になった学者で、事故直後から核汚染の恐ろしさを授業で聞いていた。
僕は、2011年の6月には放射線取扱主任者の国家資格を取得し、福島県の汚染状況の自主調査を行なっていた。政府の発表など信じられないからだ。
写真は震災直後の9月。飯舘村は全村民が強制退去させられていたが、隣接する伊達市(飯舘村の北部)は避難指示は出ていない。その伊達市と飯舘村の境界線にある牧場では、牛が飼われており、写真のように世話されているのだ。しかし、その場所の空間線量率は4.9μSv/hもあって、平時の法律適応状態であれば、未成年者や女性は立ち入り禁止の制限区域に相当する。
一年後、この牧場は完全に閉鎖されて、表土を剥がす除染が行われていた。

そして現在は、ほとんどの汚染レベルが下がっている

ここで汚染と事故現場を分ける必要があると提言したい。
2012年には、飯舘村などで大規模な除染活動が行われて、2011年に7μSv/hくらいあった飯舘村の田園が、2012年8月には1μSv/hくらいに下がっていた。これには僕も驚いた。チェルノブイリの教訓では、いくら除染しても下がらないと聞かされていたからだ。
同じように、東京の汚染も下がった。2011年には0.3μSv/h(平時は0.03μSv/h程度)もあったが、よく年には0.08μSv/h程度に下がっていた。おそらく台風などで洗い流されたのだろう。

一方で、事故現場の処理には莫大なお金と労力がつぎ込まれ続けている。最近は原発事故現場の見学ができるようにもなっており、それだけ周辺部の線量は下がっているわけだ。
ただ、大熊町(第一原発のある場所)は帰宅困難地域(つまり立ち入り禁止)では数μSv/h程度あって、除染が進んでいないことがわかる。

さて、こうしたことを勘案すると、事故現場周辺以外は、かなりの除染が進んで、安全になってきている。ネットではいまだに放射能が怖い、と言う潔癖症に近い書き込みが溢れている。例えば『東京の水源のセシウム汚染が0.02bq/kgもあった』と大騒ぎするが、0.02bq/kgというのは、想定限界と言うべきで、科学的にはゼロと読むべき数値だ。これを飲んで何らかの影響が出るとしたら、その20万倍〜40万倍の濃度の放射性カリウム(自然界に存在し、天然の塩やあらゆる肉に含まれる)で生物は全滅しているはずだ。つまり、僕としては、おおよそ人の住む場所は安全になったと思う。それには、様々な日本人の努力があったからだと確信している。

原発復旧費用の闇

さらに事故現場での復旧活動も功を奏してきていると思う。
ただ、ここは政府発表が糞なので、どうしようもない。
復旧費用が数兆円などと言っては電気料金や税金(復興税)で国民からお金を巻き上げているが、1976年当時の通産省の試算で1個の原子炉が爆発した場合の被害想定計算をしており、その当時で国家予算全部をつぎ込んでも間に合わない、とされている。つまり、現在の金額なら100兆円でも足りないはずだ。情報は小出しにされていて、先日シンクタンクが80兆円くらいだろうと試算した。やっと現実的な費用に近づいたと言うことだろうが、最終的には100〜200兆円はかかるはずだ。
そのお金はどこに使われるのか。ゼネコンと電力会社に支払われて、よくわからない世界で中抜きされ、電力会社の一般職員の給与は減額され、作業員はピンハネされ、どちらも貧乏なまま。しかし、巨額のお金がここに投入されて闇に消えている、と言う気がする。

福島の食材問題は、心理的な問題だ

さて、福島の食材を食べて支援という言葉に2つの反応があるのが事実だ。1つは、本当に福島の食材を買って食べてくれる冷静な人たち。その一方でアレルギーのように福島の食材を食べない人たち。

まず、放射線取扱主任者の知識からいえば、福島県でも会津地方は、そもそも汚染されていないので安全。郡山や福島などの中通り地区は、確かに汚染されたのだが、全品検査を通過しているので、それを信じるならば安全。浜通りも同様だがこの地域は汚染の程度が地域によってかなり違う。いまだに人が入れない場所もあるので、これも検査の状況で判断するべきだ。
そういう現実とは別に、完全に心理的に受け付けないという人がいるのも事実だ。それはそれで責められない。世界中にも同じように「思い込み」による敬遠があるのも事実だろう。国単位でいまだに福島産は輸入禁止にしている国も多い。
この辺りは、政府ではない、信頼できる民間団体などが情報を発信することで誤解を解く努力が必要だろう。この信頼できる民間団体を作るにあたって障壁になっているものがある。それは何か。先ほどの『心理的に受け付けない』人たちの声だろうと思う。『0.02bq/kgも入っている!』と叫ぶ人たちだ。おいおい、君たちはチェルノブイリ事故の直後1000bq/kg近い乳製品やブルーベリーを食べていたんだぜ。空中核実験が行われていた時代には、もっとひどい汚染があったんだぜ。

冷静な判断能力を持ちたい

イエスかノーか、二者択一でしか考えられないことが恐怖を無のだろうと思う。100bq/kgが現在の食品汚染の基準。これは世界各国の基準に比べたらかなり厳しい値だ。
その一方で、年間被曝量の限度値が20mSvとしている日本政府は糞だ。

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