映画業界には、詐欺師が結構いるんだ。大きなことを言って金を集めて、非常に小さな規模で撮影して金を抜くような奴らだ。
まぁ、お金集めは大変だから、何割抜くのが適正ということは言えないんだけど、そもそもできないことをできると言って金を集めて、途中で破綻しちゃうという、なんていうか天然系詐欺師ってのがいるんだ。
まともな演出家に見えたんだ
さて、某年、一緒に某映画を撮った監督が、こいつが詐欺師だった。というか、本当は自分でも意識せずに嘘をついて、それがどんどん積み重なっていく。
例えば、ある企業に芸能部を作ってもらって給料をもらい始める。自分が芸能部を運営すれば、それなりに儲かりますよ。芸能スクールを作れば安定しますよ。なんて言うんだ。確かに、スクールをやれば定期収入になる。しかし、スクールを運営する能力なんてないのだから、絵空事だ。ところが、これが芸能となると、「そう言うものです」と言う嘘がまかり通る。誰も芸能界の常識なんて知らないからだ。
その嘘がクライアントにバレないようにするために、クライアントを芸能界の人間に会わせないようにする。会わせれば嘘や実力がないことがバレちゃうからだ。
急に思い出した。以前、芸能事務所を作るからと言って、1年間、ただスカウトだけして(いたかどうかも不明だが)、高給をもらっていた芸能マネージャーがいた。こいつも結果的には詐欺師だったなぁ。
先ほどの監督と同じで、決して芸能界の人間にクライアントを会わせないんだ。
複数の芸能事務所、芸能人を巻き込んで、本人は訴追される
さて、先ほどの監督だが、それなりの規模のオーナー社長の企業に取り入っては芸能部門を作らせて給料をもらう。それだけでは足りずに、なんだかんだ言ってはちょろちょろ金を出させる。舞台があるからと言っては出資させる。それを繰り返している。それなりに金を引き出せるから、有名芸能人を舞台に立たせることができる。それでクライアントはなんとなく納得しちゃう。
ところが、出資金で運営するものだから、集客を頑張らない。だから、客が来ない。客が来ないと出演者の責任にする。これを繰り返して、自分の評価は『芸能人の誰それと仲が良くて、舞台にも立たせている』と言うところだけ頂戴し、実際の集客の悪さは、なんだかんだ言い訳をする。
そして、それが積み重なって、その監督はついに訴追されることになった。たまたまクライアントの方が運が良くて、そいつの過去を知っている人間に出会って耳打ちされたのだ。調べてみたら、詐欺まがいのことがずらり。そして、持ちかけられていた映画の話も、本当に映画をやっている人に聞いたらありえない予算立てで、数千万円を懐に入れちゃおうと言う魂胆が見えたのだ。
その監督や、先ほどの詐欺マネージャーに共通するのが、『誰それは信用できない』『誰それのやり方は間違っている』と言う欠席裁判をすることだ。信頼できるのは自分だけで、他の人はこんな悪い噂がある、警察にマークされている、あの人はそろそろ落ちぶれる、などなど悪口を言い回るのだ。そこに相手のミスを絡めることで、嘘を真実に仕立てていく。
そろそろ刑務所に入ってもらわないと、困る。
うん、そう言うことだ。