昔は、女性向けの小説は読めなかったんですが、というか、なんでこんな考え方なの? と疑問符が一杯になっていたのですが、小生も年を食って、いろいろ分かって来た気がします。
ディズニーの「美女と野獣」を見直してみると、なるほど、もし、野獣が初めから美男子だったら、ロマンス小説になりそうですね。大きな屋敷を持つ大金持ちだけど、偏屈で、何か過去がある男爵。田舎で暮らすヒロインは、不遇な生い立ちというか、父のために犠牲になる、なんてね。どう言う訳か野獣たるヒーローと行動を共にしなければならなくなるとかね。
そして、その後、徐々に野獣の心の奥に光を注ぎ、氷のような胸の内を溶かしてゆくヒロイン。そのヒロインの献身や態度など、いろいろ楽しいのですね。
昔は、こんな可哀想なヒロインを見て、君(視聴者や読者)は何もしない気か! という憤りがあったのですが、それは男性目線ですかね。自ら行動しその責任を負うというのは、ちょっと極端なんですね。
それより、こんな時、ヒロインはどうするのかしら? なるほど、うんうん、とかね。
逆にヒーローがどんな人物で、どんな優れた点があって、どんな弱点があって、それを周りの人はどう見ているのか、このヒーローを信頼していいのかなど、男を見る目を養うのも楽しい。そして、彼の心を開かせる、癒すにはどうするのがいいのかという、ヒーローへの対処も面白い。
などなど、ロマンス小説って、そうね、童話みたいだな。日本児童文芸家協会会員のぼくには、そう思えてくる。というか、童話の女流作家さんって、ロマンスっぽいエッセーをよく書くのは、そういうことなんだ、うん、そうか。
と、独り言をいう桜風涼さんでした。
そういう意味でロマンス小説に近いのは、「酒を飲む酒」ですね。