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ストーリーの書き方・最前線

さて、久しぶりに創作ストーリーの話を書いておこうかな。
今、いくつかの映画のプロデュースをしているんだ。若い作家さんに台本を書いてもらっている。
1つはくノ一もので、これはエンターテインメント。
クライアントからの要望で、世界配信を前提にわかりやすいストーリーを作らないといけない。簡単に言えば水戸黄門的な感じかな。
主役は女性なので、その辺りの考慮も必要だ。

ネット配信のための小刻みなストーリーが必要

最近は、ネット配信を前提にしているので、短編の積み重ねのようなストーリー展開が必要になっている。1話10〜30分程度ね。

ストーリーを小刻みにすると、実は非常に書き易くなる。例えば30分であっても、その中身は2〜3つの山を作る。山が小さいほど、中間ゴールが見えやすいので、そこに注力して書けば良いのだ。

僕の本の中でも、小さなストーリーの積み重ねのコツを書いているけど、ここでも紹介すると、

基本的には3つの事実を箇条書きにする。
次に、その結末を想像して書く。
そして、その中に感情を練り込む。

これが基本になるよ。伏線とかなんとかと言うのは、とりあえず後回しにして、ストレートに小さなストーリーを作っていく。
小さなストーリーの中にある感情が実は重要で、感情を解決してゆくことが大きなストーリーを作り上げると言うことになる。
感情は、登場人物全員にあるのだから、それをそれぞれ明確にしてゆくと、感情同士のぶつかり合いが生じて、それが面白さになるんだ。

映像になるストーリーが必要

プロデュースなどの仕事をたくさんしているので、台本を読む機会は非常に多いと思う。録音技師として参加することも多くて、そう言う時にはプロデュースとは違う視点で台本を読んでいる。
台本を目にしても思うことは、ほとんどの低予算というか売れない作品は、台本がダメだ。プロの作家であっても、ダメなものがほとんど。
そのダメさとは、簡単に言えば映像になりにくいと言うもの。頭の中だけで書かれているので、実際に映像にしてみると、非常に陳腐になってしまう。さらには、実際に役者が動いてみると、全く意味不明になったりする。

さて、映像になるストーリーとは何かというと、実はト書きの良し悪しにある。セリフというのは、実は大したことはなくて、名台詞を除けば、誰でもセリフは書けるものだ。

しかし、ト書きは圧倒的にセンスや技術を要する。
先ほど、3つの事実と感情を並べる話をしたけど、この感情をト書きに表すことが必要だ。でも、ほとんどの作家がセリフで感情を伝えようとして、これがダメな作品の産むことになる。

わかりやすく言うと、アクション映画の殺陣のシーンをセリフだらけにしたらどうだろうか? 全くもってしらけてしまう。
同じように、普通の作品でも、セリフで感情を伝えてしまうと興醒めだ。感情が高ぶれば言葉にならないし、言葉にならないところに感情がある。

と言うことで、みなさん、日常生活で、言葉にならない感情をスケッチすることをお勧めします。

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