お袋の痴呆症も波があり、眠りと覚醒の間で変化があるぞ。
目覚めると、そこは夢に支配されていて、夢の中で思ったことを現実のものとして行動し始める。
例えば、今日は診察日で健康保険証や診察券、お財布の準備にウロウロし始める。
今日は通院日じゃないと言っても、何度も探しては「無くなった」と大騒ぎしている。
その繰り返しは数分単位。つまり、説明して部屋へ帰しても、すぐに同じことを始めるんだ。
これを単なるボケと捉えるのは簡単だ。
これがメッセージだと思うと、どうだろう?
なぜ、同じ悩み(保険証がない、お金がない)を繰り返すのか。心理学的には過去の記憶がどうのこうのということなのだが、なぜその話題なのか、なぜそのタイミングなのか、なぜ、私の母なのか、何故今なのか、いろいろな要素を並べてみると何か見えて来そうだ。
なんでも偶然としてしまえば、人間の運命など考えることすら無意味になる。
しかし、いにしえから、賢者たちが運命を研究し続けている。古代インド哲学は非常にわかりやすい。精神(プルシャ)と物質(プルクラティ)をわけて考えるということだ。
物質だけでは生命は生まれない。物質にない性質が精神(魂:プルシャ)があり、それは物質以上に他者と自分の一体を示す根拠とされているんだ。
まぁ、難しい話は別にして、ボケ老人は興味深い、ただ、面倒臭い。