中華製FFヒーターの取り付け注意点(3)

中華製FFヒーターの取り付けの最終回として、本体の取り付け神話に関して触れておきます。

ヒーター本体の気密処理

さて、バベストの訓練を受けた施工業者が強調しているのが、安全なヒーター本体の取り付け方法です。実はバベストの仕様書には、ヒーター本体の取り付けに関しては、非常にあっさり書かれているだけです。それでも、業者は適切な訓練を受けていない業者には付けさせるな、とまで言っています。

日本国内で常識になっているのは、自動車のボディーに吸気管、排気管、燃料管の3つの穴を開けて、そこに専用の取り付けプレートとゴムパッキンを挟んでヒーター本体をねじ止め。隙間をご丁寧にシーリング材で埋めています。
しかし、バベストの仕様書には、そんな指示は書かれていません。日本独自の取り付け方だと思います。
おそらくは、一酸化炭素中毒が怖いので、その対策として排気管は本体の接続部分ごと車外に置くという考え方だと思います。そのために、ご丁寧にシーリングまでしています。

でも、配管の知識があれば、これがナンセンスだとわかります。
仮にシーリングせずに、ゴムパッキンだけでも十分なので、本家のバベストでも、その程度の説明です。というか、仮に隙間が開いていても、そこから排ガスが入って来る量はたかがしれているのと、そもそも車にはほかに隙間がいっぱい開いているので、他から入ってきます。

でも、対策が不要かというとそういう意味ではありません。
密着させてシーリングした方が安全なのは事実です。
では、どういうときに気密性が必要なのでしょうか?

1:排気管が損傷して根本で排気ガスが漏れている
2:そもそも、ヒーターを設置した場所に排気ガスが溜まりやすい
3:雪に埋もれて排ガスが車体の下の充満してしまった

1~3まで、すべて本体の設置部分に排気ガスが溜まって、それが車内へ入り込む事故です。
まず1は、長年使っていて劣化して壊れるとか、走行中に何かがぶつかって壊れるということです。そして、もしシーリングなしで施工したとして、どんな違いがあるのでしょうか? 自動車にはさまざまな空気口があって、ヒーター本体の取り付け位置から入らなくても、他から入ってきます。というか、完全密封された室内は簡単に酸欠になるので、外気を取り入れる必要があります。雪に埋もれた自動車で人が亡くなるのは、そもそも外気が入ってくるということです。

じゃあなぜ日本のバベスト代理店は、仕様書に載っていないシーリングまで行わせるのか。責任逃れでしょうね。

そんな仕様書にない施工をさせていて、配管の基礎である取り回しはあまり教えてないのかなぁ。

2の排ガスが溜まりやすい場所に本体を設置下からといって、上記のように室内へ排ガスが入るのはあまり考えなくてもいいのですが、吸気管の取り回しには影響します。ショートサーキットの問題です。吸気口の設置の説明を参照ください。というか、バベストの仕様書には、この辺りは触れられていません。

さて3が仕様書でもっとも強調されています。
一酸化炭素中毒の原因は、雪に埋もれることです。
排気口が車体(ボディー側面)の外側に出ていれば、雪に埋もれると配管が詰まってヒーターが止まるだけなので、まぁ、大丈夫ですが、もし配管に穴があったり接続がはずれていると、排ガスが車体の下に充満します。これは危ないですね。いくらシーリングしてあっても、他から入ってくるのでダメです。

ですから、実は本体のシーリングなんてことよりも、排気管の取り回しの方が重要で難しいのになぁ。

いずれにせよ、何らかの原因で吸排気管が詰まると、基本的にはヒーター本体が停止するはずです。でも、もし、配管に不具合があって途中から排ガスが漏れてしまうと、それが車内に入ってくる可能性が捨てきれません。そこで、日本の業者はシーロングまでして対策していますが、そもそも車の構造上、雪に車が埋れれば、ほかの穴から排ガスが入ってきます。もし、吸排気が共に車体の下にある場合、車の下に排ガスがたまるとショートサーキットが起きて、もし、ヒーターが正常に動いていれば、吸気の異常を検知してヒーターが止まります。

もし、吸気だけ新鮮な外気を取り入れて排ガスだけ雪に埋もれた車体下に排出され続けると

これは怖いですね。とこからか室内に排ガスが入ってきそうです。

ただ、これは雪国では排気管が埋もれないように注意するのが常識なので、それに従えばいいだけなんですね。雪に埋もれずに吸排気するなら、高い煙突にするしかないわけです。シーリングして済む話じゃないのです。

燃料系の注意点

燃料の供給方法も仕様書には詳しく書かれています。
1つは燃料タンクの距離と位置。燃料パイプは5m以内、タンクの位置は高低差が2m以内。

(本当はもっと細かい計算式があります)

まぁ、巨大なトラックでなければ、この仕様に収まりますね。

もう1つは、燃料タンク。
燃料は、車の燃料タンクに穴を開けてヒーター用の配管を行うか、ヒーター用の燃料タンクを別に用意して、そこから供給するかの2種類があります。

ここは車屋さんの専門領域で、タンクに穴を開けるのは非常に難しいというかガソリンタンクの場合には爆発の危険性があるので、僕はやりませんでした。怖すぎ。

なので、自作で取り付ける場合には灯油(もしくは軽油=ディーゼル)仕様のFFヒーターを前提に書きます。
FFヒーターのキットには燃料タンクが付属します。これを車内に置いて燃料供給するのがベターです。この場合にの設置ポイントは、燃料フィルターは縦置き、燃料ポンプは噴出口をやや上向き(35度がベターとのこと)。

燃料に関しては、そのくらいしか注意点がありません。

電源について

電源はバッテリーからダイレクトに供給するのがベターです。太陽光の充電システムが搭載されている場合には、コントローラー軽油じゃなくて、バッテリーダイレクトが安定します。というのは、ヒーターの起動時の暖気で10A以上の電流が流れるので、そこで電源が不安定になると安全装置が働いて止まります。もしくは、ヒーターの運転中に電源が不安定になって電源共有が止まると、ヒーターの内部が異常燃焼で壊れちゃうかもしれません。

そのほかの配線もシンプルです。本体から出るケーブルは燃料ポンプとコントローラーとバッテリーの3カ所へ延ばすだけです。バッテリー接続部分以外は、専用コネクターなので、付け間違えることはないです。

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