HiTEC X4 ADVANCE 2の電池管理が面白い

ポメラDM100など単三電池で動くマシンはまだまだたくさんありますね。
僕の場合は、映画の撮影で大量の単三電池を消費します。
1つの映画で100本近く使います。
映画用の音声ミキサーの場合、8本一組です。
これを1日に2〜3回交換。それ以外に無線マイクは4本一組が3セット、高音質無線マイクは6本セット。
電池の難しいのは、例えば8本セットの場合では、その中の1本でも空になったり不具合があると他7本に電力が残っていても、使っている機器は電池が空と判断して止まってしまったり誤動作をします。だから、たとえ1本だけがダメになっても全部交換になります。不経済ですよね。
と言うことで充電できる電池が必要なのですが、撮影現場ではちょっと怖いんですよね。電池の劣化具合がわからないと、上記の理由であっという間に電池切れや不具合の原因になっちゃう。
怖いので現場では、新品のアルカリ乾電池を使います。でもなぁ、トラブルの発生頻度は充電池と変わらないんだよなぁ。

HiTEC X4 ADVANCE 2がすごい

 

これはラジコン用の高機能充電器です。
電池を1本ずつ調べてその性能を報告してくれます。
しかも、製造時の電池のばらつきというのがあります。具体的に言えば、満充電の時の電圧が、1.47Vのものもあれば、1.44Vのものもあります。まぁ、誤差の範囲なのですが、これを混ぜて使うと弱い電池に負担がかかって不具合の原因になります。
そこで、電池の特性を計測して似た電池を組み合わせると、電池の性能を十分に引き出せます。なので、つまう前に電池特性(や劣化具合)を調べて組み合わせを整えるといいのですよ。これを電池のマッチングといいます。

今回導入したHiTEC X4 ABVANCE2は、スマホと連携して電池の性能を調べながら最適な状態を引き出します。

この画面は、新品のニッケル水素単三電池の初期充電です。0.1C充電(電池容量の10分の1の電流で充電)でゆっくり充電して、満充電時の状態を検出しています。
この電池の公称容量は2800mAhです。なので0.28Aで充電しています。「容量」と書かれている部分は、この場合は充電量を示しています(電流×時間)。約14時間経っているので3900mAhも入っています。でも、これは容量じゃなくて通電量なので、熱で消費されている電力も含まれます。

注目は「電圧」で、新品の充電池でも、満タンの電圧が違いますね。内部抵抗は123mΩでほぼ同じですが、満タンの電圧がこんなに違います。一般的には電池の劣化を内部抵抗で判断するのですが、そもそもの特性にもばらつきがあるので、劣化を診断するのは内部抵抗だけではわかりません。

この電池は、この後に強制放電をします。その後でもう一度ゆっくり充電します。その時に、本来の性能がわかります。その時の最終的な満充電の電圧で電池を分けて使うことにします。

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