酒を飲む酒(桜風涼)Kindle本

ひとりの女が、男の視線に入る席に座って、飲み始めた。胸元が大きく割れている、ミニスカートはタイトで八〇年代のようで、見える足は肉付きもいい。いわゆる肉感的であり、魅力的であり、挑発的であり、女っぽいのである。

なぜ彼女は外国人と話さないのだろうか、なぜ話さない…、ただ、男の前でゆっくりと酒を飲む。ワインだろう、赤く澄んだ色、酒を転がしながら口へと運び、そして色を見て、そしてまた口へ運ぶ。男にその香りが届き、だが、それがワインの香りなのか女の匂いなのか、男には判断できない。しかし、それは女の匂いだと思う方が、この孤独な店の中では、ふさわしい。男は、それをよく心得ている。

ウォッカのショットグラスが、もう空になっている。一杯、五〇〇円。滴しか残っていないショットグラスには、底に溜まったライムの酸味、この味を楽しめるうちは、まだ酔っていない。

桜風涼 について

はるかぜ すずし 1965年生、慶應義塾大学法学部卒。 作家・脚本家 日本児童文芸家協会会員 シナリオセンター修了 大学時代の専攻は、犯罪学・被害者学・刑事政策・法医学など。 特に法医学は、筆者が学んだ年のみ、慶應の医学部で授業が行われ、よりリアルな研究を行った。 特に法医学では、期末試験のために、教えた教授が筆者にノートを借りたほどの熱心さ。 その1年間の授業をまとめたノートは五冊にも及ぶ。 当時の写真資料は、すべて手書きの図版に書き起こされているほど、法医学への熱はすごい。 1996年、ソネット・クリエーターズ・ガレージ最優秀賞 2003年、劇場映画【ベースボールキッズ】で文部科学省選定作品 2005年、同上、小説「ベースボールキッズ】出版 その他、著書多数。 2000年より映像作品が多く、テレビ番組、CM、映画などで活躍。 1995-2000年:コンピューター雑誌のライターとして、多い時期で月に14連載をもつ人気。 技術書の執筆は15冊。 2000~は映像が主流に。 映画監督、テレビディレクター、CMプランナーとしても有名。 2009年前後は、年間200本ちかいCMを制作していた。 また、旅番組では電波少年で有名になった「なすび」と共に、数多くの名所を探訪。 温泉にも造詣が深い。 雑誌やテレビ制作を数多く手がける一方で、小説は地道に書き続けている。 著者インタビューを受けました。 「きんどるどうでしょう」 http://kindou.info/7229.html
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